1人対複数のルール3。1人をティープで崩し、もう1人の攻撃を迎え撃ちます
テッサーイが、よく出ました。膝入れはいい感じですが、垂直上昇が不十分でした。まだまだ向上させていきます
BUDO-STATION初の武術トライアル内部試合。
13時半に昼食をすませ、記録の用紙や備品、そして自分の防具や衣類などを揃えて1階道場へ。
試合場の準備を進めていると、もう開始の15時近くになる。
開会式が終わると、第1試合は自分の出番。試合が近づくと、さすがに緊張が高まったが、こうしたときこそ、いつものように弛緩させる。自分としては、うまく弛緩できた気がする。
ルールは4種類あり、試合はルール4から、3、2、1の順で行われる。
ルール4(武器対素手)の第1試合開始。私は素手側。弛緩した状態で、相手の初動に合わせて飛び込み、武器(棒)を奪いにかかる。相手がどのように動いたかは記憶していない。恐らく相手の初動で動けたため、相手の動きを見て自分が動く、という流れにならなかったのだろう。
棒の攻撃をもらわず、奪いにかかったのは良かったが、相手の抵抗は激しく、冒頭の弛緩を忘れて力が入り、けっこうな疲労になる。相手は体ごと落下して組みをはずそうとするので、それ防いで棒をつかみ続けるだけで終わってしまった。引き分け。初戦で、いきなり勝ちを逃した。
第2試合は、攻守を交代して、こちらが棒側。逆手に持ち、テッの垂直上昇と膝入れ(棒の場合は横倒しというべきか?)を行えば、まずよけられないことは確信していた。試合開始直後、無意識のまま動き、いつの間にか5ポイントを宣告されていた。しかし、6ポイントをとらねば勝ちにならない。相手に棒をつかまれ、また取り合いになって試合終了。ルール4の2試合とも勝つことができなかった。
今回は、最多勝利者賞が設けられているが、早くもその望みが薄くなる。
試合は進み、ルール4全試合を終了して、休憩。バナナとプロテインで栄養補給。
ルール3は、複数(2人)対1人。ルール4と逆に、体重の重い順に試合が行われるため、私は最終試合。
記録係を兼ねて観戦していると、複数側は右の大振りパンチのみに攻撃が限定されているのだが、けっこうな強打で1人側が攻め込まれる場面もあり、かなり激しい展開。
この展開に付き合ってはならない。敵の初動を察知して、瞬時に位置取りしながら、できるだけゆっくりと応じよう。
自分の試合が行われる2試合前に、複数の攻め手側を1試合行う。複数側に許される攻撃の右パンチは、顔面攻撃のみに限定されているのだが、なぜかボディを打っていた。ルールは完全に把握していたはずなのに、なぜボディ攻撃に出たのか? これでは勝ち点につながるわけもなく、試合終了。
さて、自分が1人側になっての試合。相手は最重量の2名で、このルールに慣れている。しかし、位置取りに徹して2人を一直線に並ばせ、ある場面では、背中を向けながら逃げることも可能だった。追ってくる相手をティープで止めると、その後のテッが何度も入る。追い込まれると、いつも練習している技が出るのか。しかし、防具を着けた相手を倒すには至らず、時間切れ。またしても勝ちを奪うことはできなかった。
ルール2は、直径3メートルの円を試合場として、搭手から行う。これなら、いつものスパーと同じ感覚で戦えうと思っていたが、いざ始まってみると、1発目の打撃は入った手応えがあるのだが、相手は前に出てきて押し出しにかかる。それを必死で耐える、という展開が、試合時間30秒の間に4度。押し出されることはなかったが、こちらも有効なポイントを奪えないまま終了。このルールでも引き分けだ。
最後はルール1。3種類の姿勢で始まる三本勝負。一本目はパーソナルスペースからの無構え。相手は拳功房なので、初動は腎突きの勝負と予想していた。果たして、こちらの腎突きが先に入るのだが、ルール2と同様、防具をつけた顔面への打撃で効かせることはできず、相手は構わず前に出てきて、組んできた勢いを脱力して流すようにしたら、足が場外に出て、相手に1ポイント。次も、相手は前に出て、こちらの足が出る、という展開で、相手にもう1ポイント。2ポイント奪取で、相手の一本勝ちとなった。
今回のルール作りは、「ムエタイが勝てないようなルールにする」という意図があり、それなら、という気持ちで全ルールに参戦したが、1試合も勝つことができなかった。
ルールに即した戦いながらも、結果的には「あれはムエタイの技だった」と思われるような試合が理想だったが、ムエタイの技を有効に使えたのは、ルール3の一場面くらいだった。
しかし、タイ人が出てきたら、どのルールでも絶妙に対応して勝つことが目に浮かぶ。日々の練習で、タイ人の末端くらいになることを目標としているが、まだまだ末端にすら至らない。自分の弱さと未熟さを改めて思い知らされた。
だからこそ、まだ伸びていける、進化できる、という契機を得ることができた。
日々の練習を、常に研究心を怠らず、かつ何かにとらわれたり、こだわったりすることなく、柔軟に続けていこう。
この試合を企画してくれた山田英司氏に、大きく感謝します。ありがとうございます。
そして、運営を進めてくれた先生方、参加された皆さん、試合の相手になってくれた皆さんに、感謝します。ありがとうございました!