4周目は、武器。これには自分なりの課題を設定していた。武器術を型や約束組手で練習していても、自由攻防になると、練習した動きが出なくなる、という話を聞いていたので、いっそのこと、いつも練習しているムエタイの動きで武器を使おう、と決めた。
となると、武器の持ち方は逆手になる。これまで武器スパーは何度か経験してきたが、逆手で持つのは今回が初めてで、果たしてどれだけ有効かは未知数だったが、角度からして手首を斬られる危険度は低い、との確信はあった。
いざ動くと、確かに相手の攻撃を防御しやすい。
意外だったのは、逆手では、斬るイメージが強かったのだが、突きや刺しに変化できることで、これが有効だった。
こうした技術面以上に勉強になったのは、昨年の試合に向けて川嶋先生からいただいた教えである。
例えば、相手が顔や腹を警戒しているようなので、足を狙ってやろう、と思って足を狙うと、すべてかわされてしまった。
意図的な攻撃は、簡単に読まれてしまう。
入る攻撃、決まる攻撃は、意図せず無意識に近い状態で出すものばかりだった。
川嶋先生の教えとは「何かをしようと思わない。何も考えない。相手の初動をとらえる。後手に回らない」というもので、これは格闘技というルールで限定された戦いに限らず、ルールのない実戦においても、そのまま通じることなのだ、と改めて確信した。
武器の次は、集団戦。後ろからの攻撃が有効であること、周囲への配慮(システマでも練習することだが、格闘技の試合でも、ロープや場外への距離を常に把握するなど、周囲への配慮が重要であることは共通している)などを再認識する。
集団戦で私がよくやることは、戦いに加わらず遠巻きに見ていたり、あるいは隠れていたりして、敵の戦力が低下したところを攻撃する、という戦法。集団戦は3回(ラウンド)行ったが、3回目ではこの戦法をとり、楽にこなすことができた。
集団戦を終えると、通常ルールに戻って2周。視線の課題を重視するあまり、落下が疎かになっていたので、しっかり落下してから浮上して攻撃することを課題とする。
今回のスパーは全体的に課題にとらわれて、前回や先月のセミナー&スパーより動きが向上せず停滞の感が強かった。しかし、川嶋先生が撮影してくれた動画を見ると、ビーナーで、マッをけっこうかわせていたりして、意外にいい動きじゃないか、と驚いた。
1周5ラウンドで、通常ルールが計5周で25ラウンド、さらには武器と集団戦という変化もあり、スパーの醍醐味を存分に味わうことができた。
この会を主催してくださった川嶋先生、今回もありがとうございました。ぜひ、次回の開催を期待しています。
お手合わせをしていただた皆さん、ありがとうございました。次の機会がありましたら、またぜひご一緒させてください。