胸と腰の2点接触で「4呼間」の崩しを行う池田秀幸先生。ゆっくりとした動きに見えるが、崩された人は「柔道の速い投げをくらったのと同じ衝撃」と語っていた
池田秀幸先生の原稿執筆について打ち合わせを行うため、江戸川区の無形塾 秀武館にお邪魔しました。
今回、検討されたのは、「印堂(上丹田)と百会」「2呼間と4呼間」「虚と実」といった概念を、どのように表現するか?ということでした。
その結果は、本が実際に完成した時点で公けになるわけですが、池田先生自らの実演による解説や理解の過程を通して、個人的にも得るところが非常に多くありました。
特に、4呼間で動くことによる崩しは、相手役として来てくれた100キロの柔道家を簡単に転がすことで、競技としての格闘技に極めて有効に応用できることを強く感じました。
私なりの解釈で、大雑把ではありますが、4呼間と2呼間を説明すると、1の地点で攻撃をスタートして100の地点にあるターゲットを狙うとき、始点の1と到達点の100だけしか意識しないのが、2呼間です。
では、4呼間とは?
1から100の間で、1、33、66、100の4箇所(例えば、パンチなら、肩、肘、手首、拳先)を意識し、それぞれの地点での稼動を45度以下に抑える、というものです。45度以下なら筋肉の緊張を抑えると同時に相手の反応や反発を誘いません。
わかりにくいですよね?
確かに、打ち合わせでは、どう解釈し、どう表現するか?喧々諤々でした。
単独の攻撃で、4つの地点を意識することの他に、相手と接触しての崩しなどでは、両手での2点接触となり、片方ずつ2呼間+2呼間=4呼間にすることによって崩しが完成する、という場合もあります。
ムエタイのイアウバーやジャップコーなどに、4呼間を活用すると、必ずやタイ人みたいな崩しが可能になることを確信したので、池田先生に実演してもらいたかったのですが、残念ながら時間切れとなってしまいました。
次の取材では、また得ることがたくさんあるでしょう。楽しみです。