雑誌記事からの転載です。中央の写真が数見肇氏の蹴り上げるアウトロー。下の写真では、奥足へのインローで私の体が中に浮いています
これは前蹴りのように見えますが、ミドルキックです。回して蹴るのではなく、足と脛の内側で蹴り上げています。上腕の外側を斜めの軌道で蹴り上げる。川嶋佑先生の指導どおりです
孝真会にて川嶋佑先生の撮影4回目。
前回のハイキックに続いて、蹴りに徹する。
ミドルキック3種(後ろ脚・スイッチして前脚・その場で前脚)
ローキック5種(後ろ脚で相手の前脚を蹴る・後ろ脚で相手の前脚を落ちる軌道で蹴る・後ろ脚で相手の奥足内側を蹴る・前脚で相手の前脚内側を蹴る・前脚で相手の後ろ脚外側を蹴る)
ミドルとローは、ほぼ網羅することができた。
浮上・結合・蹴り足を当てる角度・運動の方向などは、ほぼ共通しているが、
・ミドルでは膝をあまり曲げずに脚全体を放り出すように
・落とすローは、1.上げて 2.落とす式ではなく、自然落下で「落ちる」軌道となる
・インロー(前脚内側を蹴る)は膝裏を蹴って相手を前に崩す
など重要な要点を次々に解説してもらえて、理解と整理がさらに深化した。
川嶋先生は、原稿の中で「数見(肇)式インロー」という表現を用いていたが、アウトロー(前脚で相手の奥足外側を蹴る)も、正に数見肇氏そのものというフォームだった。
川嶋先生は「ローキックはすべて数見肇さんを研究しました」と言う。
数見氏のローキックで、どうしても理解できなかったのが、アウトローだった。
アウトローは通常、自分も相手も左前構えの場合、左へのステップを使い横から回り込んで蹴る。
これは、顔面パンチありでも同様だ。
近年では、入来建武氏が直線的に入って蹴り上げるアウトローを使っているのを大会で見て、私もムエタイルールで使えるようにした。
ポンという受け技で顔面ガードを確実にしているがゆえ、まっすぐに入ってもパンチをもらうことなく蹴ることができるのだ。
自分のことはともかくとして、数見氏は20年以上前に、アウトローを、回して、ではなく下から蹴り上げていた。
私が雑誌の取材で対戦させていただいたとき、アウトローを決められた写真を掲載したのだが、この蹴り方が理解できなかった。
今回、川嶋先生の撮影で、アウトローも、足と脛の内側を使って蹴り上げる、と解説してもらい、数見氏の秘密がやっと判明した。
20数年目にしての理解。
毎回、収穫の絶大な川嶋先生の取材であるが、今回は特に大きなものを得ることができ、記念すべき一日となった。